「振り込め詐欺」から派生した手口ともとらえられる、詐欺事案が発生。
マンション管理会社を名乗る者から、とある居住者へ、「共用部の修繕費用の不足分を全戸で負担することになったので、数百万円を準備をするように」との電話があったというもの。
幸い、金銭を騙し取られる被害にはならなかった。
電話は、マンション管理会社の建物修繕を担当する部署からのもので、「建物の耐震補強工事を行なうにあたって必要」ということであった。
東日本大震災を経験し、またそう遠くない将来に起こるといわれている首都圏直下、東海・東南海地震などへの備えが叫ばれている昨今、「耐震補強工事を行なう」と言われれば、目的そのものへの疑いは持たれにくい。
但し、日頃から、管理組合の活動を掲示板や回覧などで注意していれば、疑わしいことはすぐにわかる。
ましてや修繕積立金では賄えず、全戸に追加の費用負担を求めるというレベル、総会決議があってしかるべきであり、区分所有者には、事前に合意を求められるし、具体的な費用の徴収方法も周知されるはずのもの。
普段から、回りと接触する機会が少ない、マンション管理に関心が薄かったり、判断力が衰えているなど、「振り込め詐欺」被害と同様に、高齢者が狙われる。
このような手口で騙されるケースがあることを特に高齢者の方々には知ってもらい、不審に思った場合の連絡、相談先を明示しておくことが最低限必要である。