マンションの共用の設備やルールに関して、何か問題が起こると、理事会ではとりあえず「組合員のアンケートをとってみましょう」となる。
多いときは1年の内に3回、4回とアンケートへの協力依頼がある。
また、中には目的がはっきりしないアンケートもあって、不安感を覚えることもある。
組合員の意見を広く集めることは重要なことで、少数の理事会役員の意向、知見に留まらず、上手く意見の吸上げができて、多数を占める意見に沿って進めれば、その後のトラブルは少なくスムーズな運営ができること、また、行き詰まりを打開するようなアイデアも得られる可能性もあるよい手段である。
但し、アンケートの取り方は気をつけないといけない。
1.背景や目的の説明を十分に
事前に総会などで説明をしていたとしても欠席者もあるので、アンケートへの協力依頼には、何のために行うのか、結果をどのように使うのかを明確にしておくことが必要。これで、ピント外れの回答を防げ、知りたい回答者の意向を確実に把握できる。
2.説明や選択肢は具体的に
漠然とした問いかけには、漠然とした答えににしかならないもの。
現実の具体例をあげて、意見をもらう、あるいは選択してもらうことで、より確実な意向が把握できる。
3.過去のアンケート結果の尊重
以前に行ったアンケートも結構憶えているもの。大きな状況の変化がなければ、結果はそうそう変わるものではない。同じ質問を繰り返されると、停滞、あるいは後退している感じを持つし、そもそもムダである。
さらに先の展開を模索しているのであれば、過去のアンケート結果を含めた経緯を示した上で問いかけをする。
4.アンケートの結果は必ず報告、そして迅速に
結果報告がされないのは論外である。また、忘れた頃に・・・とならない様にしてもらいたいもの。ポイントは理事会判断と今後の進め方を明確に示すこと。また、少数意見も明示するなどして尊重する姿勢も必要。
そして、結果を踏まえてのアクションは、当期の理事会が責任を持って進めること。
5.アンケートと実行は別
規約を変えるとか、懸案事項への対策を講じるために支出を行なうなどの決定は、基本的には総会での承認が必要になる。アンケート結果で、賛成多数だったからと即実行してしまうとルール違反になることも。