8年ほど前だったか、全国的に外国人窃盗団が、玄関の鍵をピッキングで開けて侵入しての空き巣被害が頻発したのを受けて、防犯対策が叫ばれたときのこと。
当マンションの各戸の玄関は、ディスクシリンダー錠でピッキングの被害に合いやすいタイプであったため、防犯性能の優れたものに交換しようということになったのだが・・・
玄関の扉は、共用部分との理解で、管理組合の費用負担で一斉に交換するのがすっきりする。
ところが、特に1階に住む居住者は、その不安からいち早く対策したいと自前で鍵の交換を行うところが出てきた。防犯性能の優れた鍵は、当時品薄状態で手に入りにくいこともあり、管理組合の対応を待っていたらいつになるかわからないという思いもあったようだ。
居住者の中にはより防犯性能に優れた鍵に換える必要性について疑問を持っている人もあって、特に上の階に住んでいる人は意識が薄い。
こうなってしまうと、もはや足並みは揃わない。
これまで玄関の扉の鍵と、マンションのオートロックの扉や通用口の扉の鍵は、1本の鍵で開け閉めできたのだが、先に交換してしまっている居住者の鍵の種類はバラバラ。これを統一することは困難。
先に交換したところの交換費用もまちまちであり、実費を管理組合で負担するとなると不公平感が生じ、頭を悩ませる。
結論は、一斉交換は見送りとし、希望者に防犯対策仕様の鍵と交換作業を行なう業者を紹介、費用は各戸の負担で、管理組合はこれを集約、まとめて発注することに落ち着いた。
玄関の鍵の交換を希望しないところもあるため、エントランスのオートロックの扉や通用口の鍵は従来のままであり、玄関の鍵を交換したところは、外出時は2本持ち歩くことになってしまった。